目次
ポイントまとめ
- ブロードコムの強みは「AIチップ」そのものではなく、**AIを束ねて動かす”周辺インフラ”**にある
- AIネットワーク、カスタムAIチップ、VMwareは別々に見えて実は補完関係
- 競合と比べると、ブロードコムは派手さより”抜けにくさ”で勝負している
全体像:ブロードコムの3つの製品レイヤー
ブロードコムの事業は、AI文脈では次の3層に分けて見ると理解しやすい。
- AIネットワーク(スイッチ/ルータ)
- カスタムAIチップ(顧客専用設計)
- インフラソフト(VMware)
ポイントは、これらが**「GPUの代替」ではなく「GPUを最大効率で使うための土台」**であることだ。
レイヤー①:AIネットワーク(最重要)
提供価値
- 大量のGPUを**1つのAIクラスタとして束ねる”道路”**の役割
- 学習・推論時のボトルネック(通信遅延)を減らす
主力製品
- Tomahawk:超高速AIスイッチ
- Jericho:大規模データセンター向けルーティング
- Thor / NIC系:GPUとネットワークの接点
主な競合
- NVIDIA(InfiniBand / Spectrum)
- Marvell(Ethernet系)
ブロードコムの立ち位置
- Ethernet系で圧倒的シェア
- **「NVIDIA製GPU+Broadcom製ネットワーク」**という組み合わせが主流
- GPUベンダーに依存しない中立性が強み
レイヤー②:カスタムAIチップ(静かに伸びる柱)
提供価値
クラウド事業者向けに、用途特化型AIアクセラレータを設計する。汎用GPUより消費電力とコストを抑えられるケースがある。
位置づけ
- NVIDIAのGPUと正面衝突はしない
- 「全部GPUでやるほどではない処理」を担う
主な競合
- NVIDIA(GPU)
- AMD(Instinct系)
- 自社設計(Big Tech内製)
ブロードコムの強み
- 長年の通信・SoC設計ノウハウ
- 「顧客と一体で作る」前提のビジネスモデル
- 派手さはないが、契約が長期化しやすい
レイヤー③:VMware(企業内AIの入口)
提供価値
- 企業データセンターの標準インフラ
- クラウドだけでなく、オンプレ/ハイブリッド環境でAIを回す基盤
VMware × AI
- VMware Cloud Foundation
- Private AI(企業データを外に出さずAI活用)
主な競合
- パブリッククラウド(AWS / Azure / GCP)
- Red Hat / OpenShift
ブロードコムの狙い
「AIは全部クラウドで」ではない世界観を描き、規制・セキュリティ・コスト重視の企業需要を囲い込む。
競合マップで見る立ち位置
| 領域 | NVIDIA | Broadcom | その他 |
|---|---|---|---|
| GPU本体 | ◎ | △ | AMD |
| AIネットワーク | ◎ | ◎ | Marvell |
| カスタムチップ | △ | ◎ | 内製 |
| 企業インフラ | △ | ◎(VMware) | Red Hat |
👉 正面衝突を避け、不可欠な部分を押さえる戦略
伸びる条件 / 止まる条件
伸びる条件
- GPUクラスタの大型化が続く
- 企業が「クラウド一辺倒」から見直し
- AI投資が効率・コスト重視フェーズに入る
止まる条件
- GPU+ネットワークが完全に垂直統合される
- AI投資が短期で急減速
- VMware顧客の大量離脱
サテライト視点での位置づけ
ブロードコムは**「AIの主役」ではなく「AIが止まらないための裏方」だ。NVIDIAの成長が続く限り、「一緒に使われる確率が高い」企業**である。
サテライト枠としては、ボラティリティは比較的低めで、収益の見通しが立てやすいという特徴を持つ。
1ステップ実務
Broadcom公式サイトのProducts → Networking / Custom Silicon / VMwareを開き、「どの製品がGPUと一緒に使われるか」を意識して**「主役ではなく接続点」を探す視点**で眺めてみよう。
https://www.broadcom.com/products
免責
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。





