今週のハイライト
- 米株は銀行の信用不安を警戒しながらも週末にかけて反発し、主要指数は週間で上昇して引けました
- 米10年国債利回りが4%近辺まで低下。割引率の低下は株式にとって追い風となる一方、景気減速への懸念も内包しています
- ドル/円は153円前後で推移、金価格は上昇しており、リスクオフとリスクオンが入り混じる展開となっています
先週の振り返り
主な出来事(時刻はJST表記)
10月13日(月)
米株は週初から反発。AI・テック株が主導する形でリスクオンの流れが強まりました。
10月16日(木)
米10年債利回りが4%割れ目前まで低下し、市場では景気減速への懸念が意識され始めました。
10月17日(金)
地域銀行の信用不安が再燃し、その影響が世界の株式市場にも波及しました。
金利動向(米10年債=割引率の代表指標)
米10年国債利回りは週の半ばにかけて4%割れ寸前まで低下しました。
理論上、割引率の低下は株価を支える要因となりますが、今回の低下要因が信用不安や景気減速懸念に起因している点には注意が必要です。
株式市場(指数と主なテーマ)
10月17日時点の主要指数
- S&P500:6,664.01
- ナスダック:22,679.97
AI・テック株が堅調に推移する一方、金融株は軟調な展開となりました。米中関係をめぐる発言や関税に関する観測が、相場の変動要因として意識されています。
全体としては「上昇基調ではあるものの、安心感には乏しい」という市場の雰囲気が続いています。
金・原油(安全資産と期待インフレの動向)
金価格は記録的な水準近くまで上昇しており、安全資産への資金シフトが進んでいることを示しています。
原油価格は景気減速への懸念と需給バランスの綱引きが続き、小幅な値動きにとどまりました。
為替(ドル/円と円建て資産への影響)
ドル/円は約153円で推移しています。円安が進む中、円建て資産の評価額への影響には注意が必要です。
輸入物価の上昇や海外資産の円換算額の変動が、投資判断に影響を与えやすい局面が続いています。
来週の注目ポイント
重要な経済イベント(時刻はJST表記)
- 米9月CPI発表:インフレがピークを越えたかを確認する重要指標
- 銀行決算発表:貸出動向と信用状況が焦点
- FRB高官の発言:年内の利下げペースに関するトーンに注目
- 米中関係:通商政策に関する発言が市場を動かす可能性
注目テーマ
AI・テック株
業績の裏付けが伴うかどうかが、今後もテーマとして継続できるかの鍵を握ります。
銀行・信用リスク
地域金融機関の資金繰りと市場の信頼感が今後の展開を左右します。
金利・債券市場
10年債利回りの動きが、割引率を通じて株価に波及していきます。
ドル/円の動向
為替変動は円建ての投資リターンに直接影響するため、引き続き注視が必要です。
免責事項
本稿は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。


