📘 第6回:1社を自分で分析する ― ファンダメンタル分析の実践ステップ

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🔹3行でわかる要点

  • ファンダメンタル分析は「PL・BS・CFを順に見る」だけでも実践できる
  • 1社を深く見ると数字がつながり、企業のストーリーが自然に読めるようになる
  • 難しく考えるより”毎回見る場所を固定する”ことが継続のコツ

🔹まず押さえておきたい5つのポイント

  1. 企業分析は「業界 → 企業 → 財務三表」の順で読む
  2. PL・BS・CFは”1社を通して”見ると理解が早まる
  3. 指標は後でOK、まずは基本の5点だけで十分
  4. IR資料(投資家向け情報)は”理由を探す辞書”
  5. 自分用の”分析メモ”を1ページだけ作ると継続しやすい

目次

記事

ファンダメンタル分析の最終回では、これまで学んだPL(損益計算書)・BS(貸借対照表)・CF(キャッシュフロー計算書)を「どう実際に使うか」をまとめます。

初心者の多くがつまずく原因の一つは、**「まず何から見ればいいかわからない」**という順番の問題です。

実は、企業分析は順番を決めれば一気に理解が進みます。この記事では”今日からできる”実践ステップを、わかりやすく整理していきます。

🔸ステップ①:業界の”ざっくり構造”を把握する

企業単体を見る前に、その会社が属する業界の特徴を簡単に押さえます。

例えば:

  • 小売 → 利益率は低め、在庫が重要
  • 製造 → 設備投資が多い、固定資産が重い
  • IT/SaaS → 成長率が重要、利益は後からついてくる構造

「その業界は、何でお金を稼ぎ、どこでお金が出ていくのか」

これを1行でまとめるだけで、財務三表の読み方がぐっと楽になります。

🔸ステップ②:企業の概要を押さえる

次に、企業そのものの基本情報を簡単に確認します。

  • 何を売っているのか
  • どんな収益モデル(商品売り切り/サブスクなど)か
  • 直近のニュースやテーマは何か

深掘りしすぎなくて大丈夫です。”ざっくり理解”が目的です。

🔸ステップ③:PL → BS → CF の順で財務三表を読む

企業分析で迷わないために、財務三表はPL → BS → CFの順で読むのが最もスムーズです。

① PL(損益計算書):稼ぐ力の流れを見る

チェックするのは3つだけ:

  • 売上
  • 営業利益(本業の実力)
  • 純利益(最終的な利益)

さらに営業利益率(営業利益 ÷ 売上)を見れば、大枠の体質がつかめます。

② BS(貸借対照表):安定性と体質を見る

ポイントは:

  • 自己資本比率(会社の元手の厚み)
  • 流動資産と固定資産のバランス
  • 借入金が多い場合は”使い道”の確認

PLで見た「利益」が、どんな資産や負債と結びついているかが整理できます。

③ CF(キャッシュフロー):現金が健全に回っているか

見るべきは:

  • 営業キャッシュフロー(本業で現金が生まれているか)
  • 投資キャッシュフロー(投資内容の確認)
  • 財務キャッシュフロー(借金返済・配当など資金戦略)

PLの利益と比較しながら「数字がズレている理由」を読むと、理解が深まります。

🔸ステップ④:指標を”補助ツール”として使う

基本の三表で大枠がつかめたら:

  • PER
  • PBR
  • ROE

などの指標を補足的に確認します。

この順番がとても重要で、指標だけで判断すると誤解しやすいからです。

また、成長企業やハイテク企業なら、Rule of 40(売上成長率+利益率=40%以上が目安)などの特殊指標も登場しますが、これは”応用編”として理解すればOKです。

🔸ステップ⑤:IR資料で”理由”を探しに行く

財務三表や指標で「気になる数字」があったら、必ず**IR(Investor Relations=投資家向け情報)**で理由を確認します。

  • 営業利益が下がった理由
  • 特別損益が発生した背景
  • 投資CFが大きくマイナスになった内容
  • ROEが急上昇した原因

こうした説明は、決算説明資料にわかりやすく書いてあります。数字の”理由”を自分の言葉で書き出すと、分析の質が一気に上がります。

🔸ステップ⑥:1ページの”分析メモ”を作る(継続の秘訣)

初心者にありがちな悩みは、「調べても忘れてしまう」ことです。

そこで、1社につき1ページだけの”分析メモ”を持つと継続しやすくなります。

書く内容はこれだけ:

  • PLの3項目の増減
  • 自己資本比率
  • 営業CFのプラス/マイナス
  • 気になった理由を1行

これだけで十分です。毎回同じフォーマットで整理するだけで、企業の個性がくっきり見えてきます。


🧩1ステップ実務(すぐできる行動)

  1. 気になる企業を1社選ぶ
  2. PL→BS→CFの順で、合計5つ(PL3点+自己資本比率+営業CF)だけメモ
  3. 指標(PER・PBR・ROE)を横に数字だけ書く
  4. 気になる部分があればIRで”理由を1行”探す

🕔5分チェック(理解度確認)

  • [ ] PL→BS→CFの順番で読む意味を理解できた
  • [ ] 1社だけを深く見る練習の重要性を理解した
  • [ ] 指標は補助ツールであることを再確認した
  • [ ] IRで理由を1行メモする習慣を始められそう

❓FAQ

Q1. 結局、最初にどこから始めればいいですか?

まずは**PLの3項目(売上・営業利益・純利益)**からでOKです。その次に自己資本比率、営業CFを見るだけで、企業の大枠はつかめます。

Q2. SaaS企業やハイテク企業はどう分析すればいい?

基本は同じですが、成長ステージが特殊なので、必要に応じてRule of 40LTV/CAC(顧客生涯価値と獲得コスト)など”追加の指標”を学ぶと理解が深まります。


⚖️免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の銘柄の推奨や売買判断を行うものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。制度や数値は変動するため、最新情報は必ず公式資料でご確認ください。

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この記事を書いた人

“守りは投資信託、攻めは米国テック”。そんなコア・サテライトで
ムリなく増やす方法を発信しています。新NISA×積立×仕組み化で、
迷わず続けるための手順をシンプルに。

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