3行でわかる要点
- FOMCの「ドット・プロット」は、政策金利の将来見通しを示す図表です
- 点(ドット)はFOMC参加者の予想であり、約束ではない点に注意が必要です
- 投資家は「分布」と「中央値」を意識して、全体の流れをつかむのがポイントです
まず押さえておきたい5つのポイント
- FOMC:アメリカの金融政策を決める会議
- ドット・プロット:政策金利の将来予想を点で示した図表
- 読み方:①中央値を見る ②バラつきを確認する ③過去との比較を行う
- 注意点:予想であって確約ではない
- 活用法:市場の金利見通しを理解する材料にする
記事
Q. FOMCの「ドット」とは何ですか?
結論から言うと、「FOMCのドット・プロット」とは、米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度)が公表する将来の政策金利予想を示した点の集まりです。これは年4回開催される「FOMC(連邦公開市場委員会:金融政策を決める会議)」の後に発表されます。
なぜ重要なのか?
1. 市場参加者の指針になるから
FOMC参加者(FRBの理事や各地区連銀総裁)が考える「適切な政策金利」の見通しが分かるため、投資家や企業は将来の金利水準をイメージできます。
2. インフレや景気見通しが反映されるから
「金利を上げる/下げるべき」と考える背景には、インフレ率(物価上昇率)や経済成長率の見通しがあります。つまり、ドットは単なる数字ではなく「FOMCが景気をどう見ているか」のヒントでもあります。
3. 為替や株式市場に影響を与えるから
金利が上がればドルは強くなりやすく、株価は下がりやすい傾向があります。逆に金利が下がればその逆です。だから投資家はドットを強く意識します。

どうやって読むのか?
ドット・プロットには複数の点が並びます。これはFOMC参加者一人ひとりの見通しを示しています。読み方のポイントは3つです。
1. 中央値を見る
参加者の予想のうち、真ん中に位置する水準が「中央値」です。これが市場で「FOMCの見通し」としてよく使われます。
2. バラつきを確認する
ドットが縦に広がっている場合、FOMC内で見方が割れているということです。逆に集まっていればコンセンサス(合意)があると判断できます。
3. 過去との比較をする
前回のドットと比べて上にシフトしていれば「タカ派(利上げ寄り)」、下にシフトしていれば「ハト派(利下げ寄り)」と解釈されます。
注意すべき点
- ドットは「予想」であって「約束」ではありません。景気やインフレの状況次第で変更される可能性があります
- 発表されるのは個人の見通しであり、投票の結果ではありません
- 市場の反応は「中央値」だけでなく「分布の広がり」でも変わります
1ステップ実務(すぐできる行動)
FOMC後に下記のサイトで「ドット・プロットの中央値」と「前回比の変化」を確認してみましょう。慣れてきたら分布の広がりもチェックすると理解が深まります。
おすすめニュースサイト(リンク付き)
| サイト名 | 特徴 | リンク |
|---|---|---|
| FRB公式サイト(英語) | 一番正確。SEP(経済見通し要約)の原文が見られる。 | FRB公式 Monetary Policy |
| 日経電子版 | 日本語で速報・解説。初心者でもわかりやすい。 | 日本経済新聞 |
| Bloomberg日本版 | グラフや市場反応の解説が豊富。 | Bloomberg Japan |
| ロイター日本語版 | 速報性が高く、要点を短くまとめてくれる。 | ロイター日本語版 |
5分チェック(ToDo)
- ドットは「予想」であって「確約」ではないと理解する
- 中央値・分布・前回比、この3つを意識する
- ニュース記事で「タカ派・ハト派」の表現を確認してみる
FAQ
Q1. ドットは全員分公表されますか?
はい。FOMC参加者(FRB理事+地区連銀総裁)の予想が全員分、点で示されます。ただし「誰がどの点か」は分かりません。
Q2. ドットが株価に与える影響は大きいですか?
大きい場合があります。特に中央値が大きく動いたときは、株式市場や為替市場が敏感に反応することがあります。
Q3. 日本の投資家に関係ありますか?
あります。米ドルの金利は世界の資金の流れに直結しているため、日本株や為替相場(ドル円)にも影響を及ぼします。
内部リンク候補(ピラー)
- 入門:「金利と投資の基本」
- 実務:「経済指標のチェック方法」
- 継続:「投資ニュースの読み方」
(免責事項)本記事は投資助言ではありません。最終的な投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。




