書評|『ピーター・リンチの株で勝つ』――”身近な成長”で銘柄を探すコツ

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今回jは、日常の気づき→銘柄発見→基本チェックまでの流れを教えてくれる名著『ピーター・リンチの株で勝つ』を、3分で使える形に要約します。テクニック本というより目のつけどころの本です。インデックス投資をコアに据えつつ、サテライトで個別株にも挑戦したい方に最適な一冊です。

目次

3行要約

  • 身近な生活圏から”伸びる芽”を見つける(店頭・行列・口コミ)
  • 見つけて終わりではなく、**基本の裏取り(業績・負債・バリュエーション)**をしっかり行う
  • 銘柄の”型”(成熟・成長・循環など)を見極め、期待とリスクの置き場所を間違えない

要点まとめ(先に全体像)

  • 現場観察 → 仮説作り → 2分ドリルで要点整理
  • 銘柄タイプを6分類で把握(鈍成長/優良大型/急成長/景気循環/再建/資産バリュー)
  • 借金少なめ・在庫健全でシンプルなビジネスを好む
  • **PEG比(PER÷成長率)**などで”割高すぎないか”を粗確認(簡単指標)
  • 「なぜ買ったか」をメモ化→見直しタイミングを決める(売りの規律)

記事

1. 日常から”芽”を拾う――現場観察の力

リンチはモール・スーパー・職場・家庭での体験を重視しています。「最近いつも混んでいる」「友人がリピートしている」といった肌感覚は、IR資料より先に気づけることもあります。

  • 例:子どもが夢中になっているアプリ/近所で増殖している店舗/やたらと評判のサブスク
  • ただし:“好き”と”投資に耐える”は別物です。ここからが本番です。

2. 2分ドリル(仮説を言語化する)

2分で説明できますか?

  • 何をして稼いでいるか?(収益源)
  • なぜ伸びるのか?(店舗数・単価・客数・新製品)
  • どの”型”に当てはまるか?(後述の6分類)
  • リスクは何か?(競合・在庫・規制・為替など)

2分で筋が通らなければ、自分が理解できていないサインです。

3. 銘柄の”型”を決める(6分類)

  1. 鈍成長(Slow Growers):成熟企業。配当中心。
  2. 優良大型(Stalwarts):安定利益でほどほどの成長。
  3. 急成長(Fast Growers):売上・利益が高成長。規律が重要
  4. 景気循環(Cyclicals):市況・景気に大きく左右される。
  5. 再建(Turnarounds):赤字→黒字転換への賭け。
  6. 資産バリュー(Asset Plays):保有資産(不動産・現金等)が鍵。

型が違うと”期待リターンと許容できるブレ”がズレます。
例:急成長株にディフェンシブ株並みの下落耐性を期待してはいけません。

4. 基本の裏取り(数字は”ざっくり速く”)

  • 売上・営業利益の方向:3〜5年で右肩上がりか
  • 自己資本比率・有利子負債:過剰なレバレッジは避ける
  • 在庫・売掛金:急膨張は要注意(実需か在庫積み上げか)
  • バリュエーションの粗目安
    • PER(株価収益率)=”人気の度合い(ざっくり)”
    • 成長率(営業利益CAGRなど)
    • PEG比 = PER ÷ 成長率(1倍前後が中立の目安とされることが多い)
      ※簡単な説明:“人気”が”成長スピード”に比べて高すぎないかを見る指標

5. 買いと売りのメモ(規律を先に作っておく)

  • 買い理由メモ:仮説・型・指標・リスク
  • 見直し条件
    • 仮説の根拠が崩れた(競争優位が失われた/KPI鈍化が継続)
    • バリュエーションが明らかに過熱(自分の許容レンジ超え)
    • より良い代替アイデアが現れた(機会費用)

6. コア×サテライトにどう繋ぐ?

  • **コア(NISAのインデックス)**で土台を固める
  • サテライト(個別株)は上限(例:総資産の10〜20%)と保有銘柄数に制限を設ける
  • 急成長型ほど分割エントリー決算ごとに小さく検証するのが安全

実務チェックリスト(今日やる5つ)

  • お気に入りの店・アプリで**”2分ドリル”を2件**書いてみる
  • **型(6分類)**を決めて、期待とリスクを1行ずつ書き出す
  • 売上・営業利益・負債・PERを1ページにまとめる
  • 買い理由メモ&見直し条件を作る(将来の自分への手紙)
  • コア×サテライトの比率と上限を改めて宣言する

よくある質問(FAQ)

Q. PEGが1超えはもう高い?
A. あくまで参考指標です。ビジネスの質・競争優位の持続性で解釈が変わります。

Q. 決算がぶれやすくて怖いです。
A. 型に合った期待をしましょう。急成長株はぶれるのが普通です。ポジションサイズと見直し条件でコントロールします。

Q. “身近”で見つけると、好きバイアスがかかりそう…
A. だから数字の裏取り買い理由メモが効くのです。感情を紙に書いて矯正します。

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感想(30件)


(免責事項)本記事は投資助言ではありません。最終的な投資判断はご自身の責任にてお願いいたします。

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この記事を書いた人

“守りは投資信託、攻めは米国テック”。そんなコア・サテライトで
ムリなく増やす方法を発信しています。新NISA×積立×仕組み化で、
迷わず続けるための手順をシンプルに。

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