ブロードコムは何者?半導体×インフラソフトの二刀流モデルを理解|米国テック深掘り:ブロードコム編[1/7]

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目次

ポイントまとめ

  • ブロードコムは、半導体(特にAI向けネットワーク&カスタムチップ)とインフラソフト(VMware) の二刀流で稼ぐ”インフラ集合体”企業
  • 直近では、AI半導体売上が四半期で約50億ドル超・前年比+60%台 と急伸。AI向けスイッチ/ネットワーク/カスタムAIアクセラレータが成長エンジンとなっている
  • VMware Cloud FoundationとPrivate AI、OpenAIとの 10GW規模カスタムAIチップ提携 など、”AI時代の土台(ネットワーク+企業内クラウド)”としての重要性が高まっている

企業の全体像(何で稼ぎ、どこが強い?)

ブロードコムと聞いて「無線チップの会社」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、現在の姿はかなり異なります。

今のブロードコムは、大きく 2本柱で売上を作るインフラ企業 です。

1. 半導体ソリューション

  • AIデータセンター向けの イーサネットスイッチ(Tomahawk / Jerichoなど)やAI向けNIC(Thor Ultraなど)
  • 大手クラウドやAI企業向けの カスタムAIアクセラレータ(専用チップ)

2. インフラソフトウェア(VMwareなど)

  • 仮想化・プライベートクラウドの基盤である VMware Cloud Foundation(VCF)
  • そこに「Private AI」機能を組み込んだ、企業向けの”社内AIクラウド” を提供

2025年の決算では、売上約160億ドル規模の四半期に対して、AI関連売上だけで50億ドル超(前年比+63%)という数字が出ています。つまり「AIブームでGPUの次に名前が挙がる”つなぐ側&カスタム側”の企業」と見ると、全体像が掴みやすくなるでしょう。

“稼ぎ方”の現在地(3つの柱)

ブロードコムの稼ぎ方は、この 3本柱 で理解しておくと分かりやすいです。

① AIネットワーク(イーサネットスイッチ&NIC)

  • Tomahawk / Jericho:AIデータセンターでGPU同士をつなぐ、超高速イーサネットスイッチの代表シリーズ
  • Thor Ultra NIC:AI向け800Gクラスの最新ネットワークカードで、GPUサーバーとネットワークの間を高速でつなぐ役割

イメージとしては、NVIDIAなどのGPUを 「束ねてAIクラスタにするための配線・交通インフラ」 で稼いでいる、という感じです。

② カスタムAIアクセラレータ(専用チップ)

  • 大手クラウドやAI企業向けに、専用設計のAIチップ(XPUs) を提供
  • 特に2025年10月には、OpenAIと 10ギガワット規模のカスタムAIアクセラレータを共同開発・展開する提携 を発表

ここが AI売上の成長ドライバー であり、「GPU会社ではないが、AI計算のど真ん中にいる半導体会社」と言えます。

③ VMware(インフラソフト+Private AI)

  • VMware Cloud Foundation 9.0(VCF 9):企業のプライベートクラウドの土台
  • ここに “VMware Private AI Services”を標準コンポーネントとして組み込み、AIネイティブなプライベートクラウドにする と発表
  • Fortune 500の上位10社のうち9社がVCFを支持しているというコメントもあり、大企業向けの「社内AIクラウド」基盤 として位置づけられている

「クラウドの中のAI(GPU)」に対して、「企業のデータセンターの中で動くAI基盤」で稼ぐのがVMware側の構図です。

強み(モート)

1. AIネットワークの”標準”ポジション

AIクラスタを組むとき、GPUだけでなく スイッチ・ルータ・NIC も一緒に必要になります。ブロードコムは、AI向けイーサネットで Tomahawk / Jericho / Thor Ultra など、端から端までラインナップを揃える”フルスタック” を打ち出し、OCPサミットなどで業界団体とも連携を進めています。

AI時代の「ネットワークの標準」を取りにいっている点が、長期的なモート候補と言えるでしょう。

2. カスタムAIチップで”大口顧客ロックイン”

OpenAIとの10GWクラスの提携のように、特定の大口顧客と専用チップを長期契約で作り込む ことで、以下のようなメリットが生まれます。

  • 供給の安定
  • 仕様のすり合わせ
  • 価格・原価の見通し

これらが中長期で見えやすくなるため、「GPUを汎用で売るモデル」とは少し違う、“専用インフラ請負業”のような強み があります。

3. VMwareによる”企業内AIインフラ”の押さえ

VCF 9.0+Private AIを組み合わせることで、企業が自社データセンター内で生成AIを安全に使える基盤 を提供できます。すでに多くの企業のインフラにVMware製品が入り込んでいるため、「その延長線上でAIも載せられる」という”入り口の強さ”があります。

リスク(競合・規制・集中)

1. 大口顧客・AIサイクルへの依存

Q2〜Q3 FY25のAI半導体売上は、四半期4.4〜5.2億ドル→さらにQ4ガイダンス6.2億ドルと伸びていますが、その多くを 数社のハイパースケーラーやAI企業に依存 していると見られています。AI向けCAPEX(設備投資)の波が落ち着くと、売上成長が一時的に鈍化/調整するリスク があります。

2. 競合との戦い:GPU陣営&他社スイッチ

ネットワーク分野では、NVIDIA(InfiniBand系)やBroadcom以外のスイッチベンダーもAI向けソリューションを強化しており、「AIネットワークの標準争い」は続いています。カスタムAIチップの世界でも、各クラウドが自社内製を進めており、「一部は自社チップ+一部はBroadcom」という棲み分けになる可能性もあります。

3. VMware買収後の規制・評判リスク

VMware買収後、ヨーロッパのクラウド事業者団体(CISPE)が 契約条件や競争への影響についてEUに正式な苦情を提出 するなど、規制・評判面の課題も指摘されています。価格・ライセンス条件の変更に対して、顧客やパートナーの反発が続けば、中長期的なVMware事業の成長・評判に影響する可能性があります。

サテライト視点の位置づけ

ブロードコムは、インデックスの中でも AIインフラ(ネットワーク+カスタムチップ+企業内クラウド)の代表枠 と見ると分かりやすいでしょう。

  • コア資産:全世界株インデックスやS&P500などで広く市場を持つ部分
  • サテライト:その周りに、「AIインフラの”つなぐ&企業内”側に賭ける枠」としてAVGOを置く

という整理が現実的かな、というのが私のスタンスです(個別推奨ではなく”見方”の例として)。

チェックするときは、毎回の決算で以下の点をセットで見ると、「AIブームのどの段階にいるか」「企業側AIインフラの伸び」がイメージしやすくなります。

  • AI半導体売上(AI networking+custom accelerators)の成長率
  • VMware/インフラソフトの売上とPrivate AI関連のコメント
  • 規制・契約条件・顧客との関係についてのニュース

1ステップ実務

ブロードコムIRサイトの 「Quarterly Results」ページ を開き、直近の決算リリースで「AI revenue」「Semiconductor Solutions revenue」「Infrastructure Software revenue」の3つだけをスプレッドシートにメモしておきましょう。

🔗 Broadcom Investor Relations — Quarterly Results
https://investors.broadcom.com/financial-information/quarterly-results

免責

本稿は一般的な企業理解のための情報提供であり、特定銘柄の推奨・売買助言ではありません。将来の株価・業績・配当を保証するものではなく、投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。

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この記事を書いた人

“守りは投資信託、攻めは米国テック”。そんなコア・サテライトで
ムリなく増やす方法を発信しています。新NISA×積立×仕組み化で、
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