【米国テック深掘り|エヌビディア編 [6/7]】12か月シナリオ&持ち方:AI投資サイクルとサテライト配分

  • URLをコピーしました!
目次

ポイントまとめ

NVIDIAの今後12か月を考える上での重要な軸は、**「AI向け設備投資の継続性」「Blackwell世代など新GPUの立ち上がり」「顧客による自社チップ化(内製化)の進展度合い」**の3つです。

シナリオは大きく分けて、**Bull(AI投資継続&Blackwell順調)/Base(投資の”平常運転”)/Bear(大手顧客の内製化+規制・マクロ逆風)**の3パターンが考えられます。

個別株としてはボラティリティが高いため、コア資産はインデックス/サテライト資産はNVIDIAという構図で、ポートフォリオ全体の5〜10%程度を目安に、四半期決算やイベント時に点検するイメージが現実的でしょう。

前提の分解:何が12か月先を動かすのか

NVIDIAの1年先を考えるとき、次の3つの変数に分けて整理すると見通しが立てやすくなります。

1. AI向けCAPEXの継続度

クラウド(Hyperscaler)、AIスタートアップ、エンタープライズによる「AI用データセンター投資」が続くかどうか。直近の決算では、データセンター売上の大半を数社の大口顧客が占めており、彼らのCAPEX計画が業績に直結する状況です。

2. Blackwell世代など新製品の立ち上がり

H100/H200からB100/B200/GB200(Blackwell世代)への切り替えがスムーズに進むかどうか。新世代が「性能とコスト」の両面でどれだけ訴求力を維持できるかがポイントになります。

3. 顧客の自社チップ化・競合の台頭

大手クラウドやAI企業が、TPUや自社ASICなどNVIDIA以外の選択肢を増やす動き。AMDなど他社GPUや専用アクセラレータの採用が、どの程度シェアを奪うかが注目されます。

この3軸を「強い/普通/弱い」で組み合わせることで、12か月先のシナリオをざっくりと描くことができます。

12か月シナリオ:Bull / Base / Bear

Bull(強気シナリオ)

前提

  • AI向けCAPEXが引き続き強く、クラウド各社・AIスタートアップがBlackwell世代を大量採用
  • Blackwellラック(GB200 NVL72など)の立ち上がりが順調で、H100からの世代交代が”上乗せ効果”をもたらす
  • 顧客の自社チップ化は進むものの、「最先端モデルはNVIDIA、コモディティ領域は内製/他社」という役割分担に落ち着く

方向感(あくまでイメージ)

データセンター売上は高成長を維持し、粗利率も高水準をキープ。市場では「AIインフラの標準企業」という評価が定着し、株価は”AI設備投資の代表銘柄”として強含みやすい展開が予想されます。

Base(中間シナリオ)

前提

  • AI向けCAPEXは「伸びるが、24〜25年ほどの加速は一服」
  • Blackwellの導入は進むものの、旧世代との入れ替えが中心で、成長率は徐々に落ち着く
  • 自社チップ・競合GPUが一部でシェアを取るが、NVIDIAが”第一選択肢”の地位は維持

方向感

売上・利益は高水準を維持しつつも成長率は低下。株価は「高収益だが成長がやや鈍化した成熟AIインフラ企業」として、ニュース(新製品・大型受注・規制など)次第で上下しやすい状況になります。

Bear(慎重シナリオ)

前提

  • AI向けCAPEXがマクロ要因(金利・景気)や”過去の過剰投資の反動”で減速/一時的に抑制される
  • 顧客が自社チップ・他社GPUへの切り替えを加速し、NVIDIA向けの新規注文が想定を下回る
  • 規制(輸出制限など)が特定地域の需要をさらに制限し、市場の一部が構造的に縮小

方向感

売上成長が鈍化し、一時的な減収局面もあり得ます。粗利率も競争・価格要因で揺れ、株価のボラティリティが高まり、「サイクルの調整局面」として評価が大きく振れやすくなります。

サテライト配分の考え方

NVIDIAは、ボラティリティ(値動きの大きさ)が高い個別株です。そこで、ポートフォリオ全体では次のような”サテライト設計”が現実的でしょう(あくまで考え方の例です)。

コア資産

  • 全世界株インデックスやS&P500/NASDAQ100など、分散の効いたインデックスで土台を作る

サテライト資産

  • その周辺に、「AIインフラの成長に乗りたい枠」としてNVIDIAを配置

配分レンジ(あくまで一例・推奨ではありません)

株式ポートフォリオ全体に対するNVIDIAの比率:

  • 目安:5〜10%程度
  • ハイリスク許容の場合でも、単一銘柄で20%超は”集中投資”として認識しておくのが無難です

ポイント

NVIDIA単体の将来を「当てに行く」というより、「AI投資サイクルにほどほど乗る」「ダウンサイドもコア資産で緩和する」という考え方が、初心者〜中級者にはフィットしやすいでしょう。

点検頻度とチェック項目

点検タイミング

  • 四半期決算ごと(年4回)
  • 大きなイベント時(新アーキテクチャ発表、輸出規制・地政学ニュースなど)

チェックする”3点セット”

1. データセンター売上の伸びと比率

  • 売上成長率が大きく変化していないか
  • セグメント比率(データセンターが全体の何%か)がどう動いているか

2. 粗利率(Gross Margin)

  • 70%前後を維持しているか/大きく下がっていないか
  • コメント欄に「価格圧力」「ミックス変化」「規制・在庫調整」などの言及がないか

3. 在庫・コメント・顧客動向

  • 在庫が急増していないか
  • 決算説明で「顧客の自社チップ移行」「輸出規制」などへの言及が増えていないか

これらをスプレッドシート1枚にまとめておき、次の四半期で”変化だけ”を見るようにすると、情報に振り回されずに済みます。

1ステップ実務

NVIDIAのIRサイトで「Quarterly Results」ページをブックマークし、直近4四半期分の「Data Center revenue」「Gross margin」「Management commentary(特にAI CAPEX・顧客動向・規制コメント)」だけを抜き出して、自分用の”AIサイクルチェック表”を作りましょう。

🔗 NVIDIA Investor Relations — Quarterly Results


関連書籍でさらに深掘り(広告)

NVIDIA(エヌビディア)大解剖 AI最強企業の型破り経営と次なる100兆円市場 [ 島津 翔 ]

価格:1980円
(2025/11/19 17:38時点)
感想(0件)

エヌビディア 半導体の覇者が作り出す2040年の世界 [ 津田 建二 ]

価格:1980円
(2025/11/19 17:39時点)
感想(0件)

免責事項

本稿は一般的な企業理解のための情報提供であり、特定銘柄の推奨・売買助言ではありません。将来の株価・業績・配当を保証するものではなく、投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。

役に立ったら、ぜひシェアお願いします。
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

“守りは投資信託、攻めは米国テック”。そんなコア・サテライトで
ムリなく増やす方法を発信しています。新NISA×積立×仕組み化で、
迷わず続けるための手順をシンプルに。

目次