【米国テック深掘り|エヌビディア編 [4/7]】製品と競合:GPU・ネットワーク・ソフトの地図

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ポイントまとめ

エヌビディアの中核事業は、**データセンター向けGPU(H100/H200/B100/B200/GB200)と、ラック丸ごとのシステム(GB200 NVL72など)**です。

これを支えるのが、InfiniBandやSpectrum-X Ethernetなどの高速ネットワークと、CUDAを中心としたソフトウェア基盤。ハードウェア、ネットワーク、ソフトウェアの「フルスタック」で勝負しているのが特徴です。

競合としては、GPU分野でAMDのMI300/MI350シリーズや各社のTPU/AIアクセラレータ、ネットワーク分野ではBroadcomなどが挙げられます。しかし、「全部入り」で戦える企業は少ないことが、エヌビディアの大きな強みとなっています。


製品ラインの全体像:3つのレイヤーで理解する

エヌビディアの製品群は、次の3つのレイヤーで整理すると理解しやすくなります。

1. GPU / アクセラレータ(計算の心臓部)

A100 → H100 → H200 → B100/B200 → GB200…と進化してきた、AI計算の中核を担うチップです。

2. ネットワーク&システム(つなぐ技術)

InfiniBandスイッチ、Spectrum-X Ethernet、NVLink/NVSwitch、HGX/GB200 NVL72など、「GPUを束ねる箱と配線」に相当する部分です。

3. CUDA・ソフトウェア&プラットフォーム(使いやすくする)

CUDA、CUDA-Xライブラリ、CUDA Toolkit、NVIDIA AI Enterpriseなど、開発者がGPUを活用しやすくするためのソフトウェア群です。

投資家目線での整理:

  • ①GPU+②ネットワークが売上・利益の柱
  • ③CUDAなどのソフトウェアは「競争優位性の源泉(モート)」であり、「将来のサブスク収益の種」

GPU世代マップ:進化の系譜を追う

Hopper世代:H100/H200

H100は2022年頃から本格的に採用されたAI向けGPUで、生成AIブーム前半を支えた主役です。

H200はH100の後継として登場しました。メモリ容量が約1.76倍、帯域が約1.43倍に拡大し、大規模な言語モデル(LLM)向けの性能を大幅に強化しています。

Blackwell世代:B100/B200/GB200

B100/B200は、Blackwellアーキテクチャを採用した最新コアGPUです。エヌビディアの公表によると、H100と比較してAIトレーニングで最大3倍、推論で最大15倍の性能向上を実現しています。

GB200 Grace Blackwell / GB200 NVL72は、GPU(B200)とCPU(Grace)を組み合わせた革新的なシステムです。72個のGPUを1ラックにまとめ、”1台の巨大GPU”のように扱える構成となっており、トークン処理速度やTCO(総所有コスト)の観点でH100世代から大幅な改善を目指しています。

投資家が注目すべきポイント

個々のGPUのスペック以上に重要なのは、**「世代が進むごとに、1ラックあたりのAI性能がどれだけ伸びるか」**です。

Microsoft、Oracle、各クラウド企業との大型案件では、GB200クラスのラックを何千台単位で並べる計画が進んでいます。エヌビディアは事実上、「AI工場の設備メーカー」のような位置づけになりつつあります。


ネットワーク&システム:高速接続がカギを握る

GPUをたくさん並べても、つなぐ回線が遅ければ性能は出ません。そこでエヌビディアは、ネットワーク技術も自社で揃えています。

主要なネットワーク技術

NVLink / NVSwitch
GPU同士を超高速で結ぶ専用インターコネクト。複数のGPUを”1つの大きなGPU”のように扱うための技術です。

InfiniBand(Mellanox由来)
HPC・AI向けに使われる、低レイテンシ・高スループットなネットワーク規格。生成AI時代に再び脚光を浴びています。

Spectrum-X Ethernet
AI向けにチューニングされたイーサネット製品群。AIクラスタにおいて、通常のイーサネットより高い実効スループットを実現することを目指しています。

HGX / DGX / GB200 NVL72
GPU+ネットワーク+電源・冷却をまとめた「完成品の箱」。サーバーベンダーやクラウド事業者がこれをベースに、自社サービスを構築しています。

投資家目線での理解

エヌビディアは「GPU単体」を売っているのではなく、「ラック単位のAIコンピュータ+専用ネットワーク」を売っている会社だと理解すると、売上の伸び方や案件の規模感をイメージしやすくなります。


CUDA・ソフトウェアとエコシステム

CUDAとは:GPUを使うための「共通語」

CUDAは、エヌビディアGPU向けの並列計算プラットフォーム&プログラミングモデルです。C++やPythonなどからGPUを扱うためのソフトウェア層で、PyTorchなど主要なAIフレームワークもCUDAを前提に最適化されています。

CUDA Toolkitには、ライブラリ、コンパイラ、デバッガなどが一式含まれており、「GPUを使った開発環境一式」というイメージです。

2025年には、RISC-V CPUでもCUDAを使えることが発表され、x86、Armに加えて、オープンソースのISA(命令セットアーキテクチャ)にも広がりつつあります。

CUDAエコシステムの「離れにくさ」

何年もかけて蓄積されたCUDA対応コード、サードパーティのライブラリ、ドライバ、ツール群。これらが積み上がるほど、他社GPUに乗り換えるコストが大きくなります。

投資家目線では、CUDAは「単に便利なツール」ではなく、**「エヌビディアから離れにくくする、目に見えにくい壁」**として機能していると理解すべきです。これこそが、同社の最大の競争優位性(モート)と言えるでしょう。


競合地図:誰と何で戦っているのか

GPU・アクセラレータ

エヌビディアの主力製品:
H100/H200/B100/B200/GB200

主な競合・代替製品:

  • AMD Instinct MI300/MI325/MI350
  • 各社TPU・AI ASIC(Google TPU、AWS Trainium/Inferentia など)
  • Qualcomm AI200/AI250

ポイント:
性能、電力効率、供給量、価格で勝負。AI向けでは現状エヌビディアが優位ですが、AMDやクラウド各社の自社チップが追い上げています。

ネットワーク

エヌビディアの主力製品:
InfiniBand、Spectrum-X Ethernet、NVLink/NVSwitch

主な競合:

  • Broadcomなどのイーサネットスイッチベンダー
  • クラウド各社の独自ネットワーク

ポイント:
AIクラスタ向けの「目的特化ネットワーク」で差別化。標準イーサネット陣営とのせめぎ合いが続いています。

ソフト・プラットフォーム

エヌビディアの主力製品:
CUDA、CUDA-X、AI Enterprise、NGC

主な競合:

  • AMD ROCm
  • 各社独自ソフトスタック

ポイント:
開発者、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)、研究コミュニティをどれだけ囲い込めるかが勝負。ここがエヌビディア最大の競争優位性です。


成長が続く条件、止まる条件

成長が続く条件

  1. 大手クラウド・AI企業が、Blackwell世代(B100/B200/GB200)を中心に大規模導入を継続する
  2. Spectrum-Xなどのネットワーク製品が、標準イーサネットとの明確な性能差を示し、AI向けとして採用が広がる
  3. CUDAエコシステムが引き続き「事実上の標準」として使われ続ける

成長が止まる条件

  1. 大口顧客が自社チップ(TPU/ASICなど)へのシフトを加速し、エヌビディア依存を減らす動きが強まる
  2. ネットワーク層で標準イーサネット陣営がAI向け機能を追いつかせ、差別化が薄れる
  3. 規制・輸出制限により、重要市場(特に中国向け高性能GPU)の販売余地がさらに縮小する

1ステップ実務

エヌビディア公式サイトの「Data Center Products」ページを開き、「GPUs」「Networking」「AI Software」の3カテゴリを眺めて、「3層構造」として一覧化してみましょう。

🔗 NVIDIA – Data Center Products


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免責事項

本稿は一般的な企業理解のための情報提供であり、特定銘柄の推奨・売買助言ではありません。将来の株価や配当を保証するものではなく、投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。

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この記事を書いた人

“守りは投資信託、攻めは米国テック”。そんなコア・サテライトで
ムリなく増やす方法を発信しています。新NISA×積立×仕組み化で、
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