🔹3行でわかる要点
- 損益計算書(PL)は企業の「稼ぐ力」を読むための中心資料
- 売上よりも「どこで利益が残っているか」を見ることが本質
- 営業利益と純利益の違いを理解すると、企業の本当の体質が見えてくる
🔹まず押さえておきたい5つのポイント
- PLは「売上 → 利益」の流れを追うための表
- 最重要ポイントは”営業利益”(本業の実力を示す)
- 経常利益・純利益は、本業以外の影響も混ざりやすい
- 特別損益(臨時の利益・損失)は毎回起こるものではない
- 利益率を見ると、企業比較がぐっと簡単になる
記事
企業の「稼ぐ力」を最もシンプルに知る方法が**損益計算書(PL=Profit and Loss statement)**です。
これは一定期間(1年間など)にどれだけお金を稼ぎ、どれだけ使ったか、最終的にどれだけ利益が残ったかを示す表のこと。いわば企業の「成績表」のようなものです。
PLを見るときのコツは、“額”より”流れ”を見ること。売上がいくらあるかだけでは、その会社が良い状態かどうかは判断できません。「売上 → 利益」という流れの中で、どこで利益が残り、どこで減っているのか。この”動き”に注目することが大切です。
🔸最重要は「営業利益」=本業の実力
PLにはいくつかの利益が出てきますが、まず押さえるべきは営業利益です。
営業利益とは、本業でどれくらい儲かっているかを示す数字。企業の”筋力”を測るようなものだと考えてください。
- 売上が増えているのに、営業利益が伸びていない
- 売上が横ばいでも、営業利益が改善している
この2つでは、意味がまったく違います。
初心者の方はつい「純利益」に目が行きがちですが、純利益は本業以外の要素(投資の損益や一時的な費用など)が混ざりやすいため、企業の「本当の体質」を見るにはあまり適していません。
🔸経常利益・純利益は”雑音”が混ざることも
営業利益の下には、
- 経常利益(本業に金融収支を加えた利益)
- 純利益(最終的に残った利益)
という2つの利益があります。
経常利益には受取利息や支払利息などの金融収支が含まれ、純利益にはさらに法人税や特別損益が加わります。これらは本業とは直接関係のない要素が入るため、一時的に大きくブレることがあります。
たとえば:
- 保有株式の売却益が大きく出た
- 工場売却で特別利益が計上された
- 不祥事による臨時損失が発生した
こうした特殊要因は毎回起こるわけではないため、企業の本当の体力を見るときは「営業利益」を中心に考えるのが安全です。
🔸特別損益は”臨時”なので慌てない
PLに出てくる特別損益(その期だけ発生する臨時の損益)は、初心者が誤解しやすい部分です。
特別損益が大きいと純利益が急落したように見えますが、それが一時的なものなら、企業の体質が急に悪くなったわけではありません。
ニュースで「純利益◯%減」と大きく取り上げられていても、その裏に特別損益が絡んでいないかを確認するだけで、判断が大きく変わってきます。
🔸利益率を見ると比較が簡単になる
初心者におすすめなのが、**利益率(利益 ÷ 売上)**を見ることです。
特に重要なのは営業利益率。
- 営業利益率が高い = 本業の効率が良い
- 営業利益率が低い = 本業の利益が薄い
というイメージです。
利益率は企業規模に左右されにくく、同業他社とも比較しやすいため、企業の実力を読み解くうえで非常に役立ちます。
🔸PLは1期だけでなく”連続”で見る
PLは1つの決算だけで判断せず、
- 過去3年
- できれば5年
という流れで見るのがおすすめです。
売上と営業利益がゆっくりでも右肩上がりであれば、企業体力が着実に積み上がっている証拠。逆に毎年ブレ幅が大きい企業は、外部要因の影響を受けやすかったり、事業が安定していなかったりする可能性があります。
🧩1ステップ実務(すぐできる行動)
- 調べたい企業を1社選び、PLを開く
- 売上・営業利益・純利益の「増減」を○(増)/△(減)で3年分チェック
- 営業利益率を1つだけ計算してメモ(営業利益 ÷ 売上)
- 純利益が大きく変動している年があれば、IRで理由を1行確認
🕔5分チェック(理解度確認)
- [ ] 営業利益が「本業の実力」を示すことを理解した
- [ ] 純利益は一時的な要因で動きやすいと知った
- [ ] 利益率(特に営業利益率)の意味を理解した
- [ ] PLを3年連続で見て、流れを確認した
❓FAQ
Q1. 売上が増えているのに、営業利益が下がるのは悪いこと?
必ずしも悪いとは言い切れません。広告費や研究開発費を増やした結果である可能性もあります。「なぜ下がったのか」を会社の説明資料で確認しましょう。
Q2. 営業利益率は何%あれば良い?
業界ごとに適正水準が異なります。製造業とサービス業では事情が違うため、同業他社との比較が基本です。絶対的な基準値はないと考えてください。
⚖️免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や売買判断を推奨するものではありません。投資の最終判断は必ずご自身の責任で行ってください。制度や数値は変動するため、最新情報は必ず公式資料をご確認ください。
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