今週のポイント
11月3日〜7日の週、米国株式市場はAI・テック株の勢いでスタートしましたが、週中に大手銀行から減速警告が出たことで調整ムードに転じました。米10年国債利回りは4.10%前後で推移し、株価の割引率上昇による調整懸念が広がっています。また、ドル/円は154円台までドル高・円安が進行し、為替とコモディティの動きが市場の注目を集めました。
今週の振り返り
主要イベント(日時はJST)
11月3日(月)
週初、AmazonがOpenAIとの大型契約を発表し、AI関連銘柄が活況を呈しました。
11月4日(火)
大手銀行幹部から「市場は10〜15%の下押しを想定すべき」との警告が出て、株式市場は一転して調整モードへ。
今週は決算シーズンの佳境を迎え、多数の企業が業績を報告する予定です。
金利動向
米10年国債利回りは11月6日時点で**約4.11%**でした。この水準は、株式の割引率(将来収益を現在価値に換算する際の金利)として改めて重視されています。利回りが上昇すれば割引率も上昇し、株式市場にとっては逆風となります。
株式市場
11月3日終値
- ダウ平均:47,336.68(-0.5%)
- S&P 500:6,851.97(+0.2%)
- ナスダック100:23,834.72(+0.5%)
市場のテーマ
AI・テック株が引き続き相場を牽引しており、AmazonやNvidiaなどが中心となっています。一方で、金融・銀行セクターの先行き警戒感が重石となり、金融株の調整が市場全体に波及しました。
全体としては「強いテーマがある一方で、警戒材料も明確」という、上値余地はあるものの慎重な姿勢が求められる相場展開となっています。
金と原油
金は一時的に買われ、利回り低下やリスクオフの動きと連動しました。原油は、ドル高・需給懸念・景況感が交錯し、方向感の乏しい展開となっています。
全体として、コモディティが「株高+ドル高」環境の中でどのように動くかが注目されています。
為替
ドル/円は約154円前後までドル高・円安が進行しました。日本の投資家にとっては、ドル建て資産の円換算評価が上振れるという恩恵がある一方、為替反転リスクも意識しておく必要があります。
来週の注目点
経済カレンダー
- **米10月雇用統計(NFP)**などの重要データが発表予定です。政府機関の閉鎖影響でデータの信頼度も焦点となります。
- 決算発表:AI・テックセクターだけでなく、金融・消費・素材セクターの決算にも注目が集まります。
- 政策動向:FRBの発言や米中貿易に関する動向が市場のヒントとなりそうです。
注目テーマ
AI・テック株
決算や契約実績が好調なら継続上昇が期待できますが、期待先行の場合は調整リスクもあります。
金融・信用リスク
銀行・金融機関の警告が、株式市場の調整開始のきっかけとなる可能性があります。
金利・債券市場
10年債利回りが再び上昇すれば、株式市場に新たな重荷となります。
為替
ドル高・円安の進行は、輸入物価上昇や円建て資産評価の変動につながり、日本の投資家にとって重要なポイントです。
3つのシナリオ
強気シナリオ
AI・テック企業の決算が想定以上に強く、米中協議で好材料が出現し、インフレ鈍化の兆しが見えた場合、リスクオンが再燃し株価上昇・利回り安定・ドル高という流れが想定されます。
中立シナリオ
決算やデータがともに予想付近で、目立ったサプライズがない場合、株価・金利・為替ともにレンジ推移となり、方向感が定まりにくい展開が予想されます。
弱気シナリオ
金融機関の警告が先行して信用懸念が広がるか、インフレ再加速・利回り上昇となった場合、株価下押し・利回り上昇(割引率上昇=株式市場に逆風)・ドル安または円高反転の可能性があります。
長期投資家の行動指針
やることリスト
- 定期積立の継続:タイミングを狙わず時間を分散させることで、変動期こそ活用価値があります。
- ポートフォリオのチェック:AI・テック株の比率が高すぎないか、金融・信用セクターのリスクはないか確認しましょう。
- 観察指標の明確化:特に「10年債利回り」「ドル/円」「銀行信用スプレッド」「AI関連決算」の4つを定点観測することをお勧めします。
リスク管理
- 評価通貨を統一:海外資産の円換算評価を忘れずに。為替変動で実質リターンが変わります。
- ヘッジ比率の事前決定:為替・金利・信用が動いた場合に、冷静に対処できるルールを設けておきましょう。
- 分散投資:特定のテーマ(例えばAI)に偏りすぎず、セクター・地域・資産クラスを幅広く保有しましょう。
用語解説
10年国債利回り
米国政府が10年間資金を借りる際の利率。株式市場の「割引率」の代表的な指標です。
割引率
将来収益を現在価値に換算する際の金利。割引率が上がると、株価には通常逆風となります。
リスクオン/リスクオフ
投資家が「リスクを取る」モードか「リスクを避ける」モードかを示す市場心理。
定期積立投資
一定額を定期的に投資する手法。時間分散を活かし、長期投資に適した方法です。
ヘッジ
為替・金利・信用などのリスクを軽減または相殺するための対策。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。





