目次
ポイントまとめ
- テスラを見る軸は「EV販売台数」「エネルギー事業の成長」「FSDとソフトウェア収益の実装速度」の3点
- シナリオは「販売量と利益のバランス」次第で分岐。12か月の株価レンジはマクロ環境と価格戦略に左右される
- 投資家はサテライト(補助的)ポジションとして保有し、点検は「四半期決算+主要イベント時」が無理のないペース
前提の整理:何が”前提”を動かすのか
テスラの1年先を見通す際、以下の3つの変数を押さえておくと全体像が掴みやすくなります。
1. EV販売台数と価格ミックス
金利動向・競合状況・補助金制度が直接影響します。販売台数が伸びても値下げを続ければ、利益は伸び悩みます。
2. エネルギー事業(Megapack/Powerwall)
設備投資が一巡して稼働率が上がれば、粗利益率の改善が期待できます。
3. FSDとソフトウェア収益
自動運転ソフトやサブスクリプションが、どこまで有料化・普及するかが鍵となります。
この3軸を組み合わせることで、2025〜26年のシナリオを描くことができます。
12か月シナリオ(Bull / Base / Bear)
| シナリオ | 前提 | 方向性 |
|---|---|---|
| Bull(強気) | エネルギー導入量が記録更新、FSD有料化が進展。EV販売が横ばいでも粗利率が改善 | 営業利益率が回復し、株価は構造的収益力への再評価が進む |
| Base(中立) | EV販売は前年並み、値下げは抑制的。エネルギーは安定成長、FSDはベータ段階が継続 | 利益は横ばい圏内で推移。成長期待と実績がバランス |
| Bear(弱気) | 価格競争・金利高止まり・規制強化が重なり、粗利率が10%台前半で停滞 | 投資家の関心は再び「利益確保」へシフト。調整局面の可能性も |
重要:いずれのシナリオでも、「エネルギー+ソフトウェア」の収益貢献が続くかどうかが、テスラの業績耐性を左右します。
サテライト配分例と点検頻度
- **コア資産(インデックス・ETF)**を基礎としつつ、サテライトポジションとして5〜10%程度でテスラを組み入れるのが現実的
- 保有の点検タイミングは、**四半期決算+製品イベント(Investor Day / 新車発表)**が目安
- 短期的な株価変動に一喜一憂せず、「粗利率・エネルギー・FSDの3指標が揃って改善しているか」を定点観測するのがコツ
見直しのチェックリスト
保有を継続するか判断する際は、以下の3点を確認しましょう。
✓ 粗利率は回復しているか?
→ 価格競争が落ち着いてきたサインです
✓ エネルギー事業は伸びているか?
→ 利益の質が改善している証拠です
✓ FSDの提供地域や課金率は拡大しているか?
→ サブスクモデルの進行度を測る指標です
これら3つが「横ばい以上」であれば、構造的な悪化ではなく”投資の助走期”と捉えることができます。
実務的な1ステップ
テスラIRサイトの**「Quarterly Updates」セクション**をブックマークし、各四半期の以下の数値を表で記録していきましょう。
- Automotive gross margin(自動車部門粗利率)
- Energy deployments(エネルギー導入量)
- FSD updates(FSD関連アップデート)
🔗 Tesla IR – Quarterly Updates
免責事項
本稿は一般的な企業理解のための情報提供を目的としており、特定銘柄の推奨や売買助言ではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。




