今日の3ポイント(2025年11月1日 JST)

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● 10月27日〜31日の週、米国株式市場は好決算と米中貿易協議への期待感から上昇し、主要3指数はいずれも史上最高値圏で週を終えました。(Reuters)

● 米10年国債利回りは割引率の低下を背景におおむね横ばいから微低下となり、株式市場にとっては支援材料となる可能性があります。(sterlingcapital.com)

● ドル/円は円安が継続し、コモディティ(特に原油・金)は混在した展開となっており、リスクオンの流れの中でも慎重な姿勢が必要な状況です。


目次

先週の振り返り

イベントの動き

  • 10月27日(月):米株が記録的な上昇を見せました。(Reuters)
  • 10月28〜30日:大手テック企業の決算発表が相次ぎ、業績の良し悪しが市場の焦点となりました。(Reuters)
  • 10月30〜31日:月末を控え、利下げ期待と米中貿易協議のニュースが市場を後押ししました。(Reuters)

金利の動向(米10年債=割引率の代表指標)

週報によると、米10年債利回りは約4.00%付近で推移し、前週比で大きな上昇は見られませんでした。(sterlingcapital.com)

割引率が低く保たれていることは株式市場にとって好材料ですが、その背景には景気鈍化リスクがあるため、完全に安心できる状況とは言えません。

株式市場の状況

10月27日時点の主要指数終値

  • ダウ平均:約47,544.59 (AP News)
  • S&P 500:約6,875.16 (AP News)
  • ナスダック指数:約23,637.46 (AP News)

主なテーマ

  • AI/テック株の好決算が相場を牽引しています。(ft.com)
  • 米中貿易協議の進展期待が市場心理を改善させました。(Reuters)
  • その一方で、利下げ期待の行きすぎ、企業の過大評価、景気の先行き懸念など、調整リスクも意識され始めています。

金と原油の動き

金(Gold) 上昇圧力がある一方で、株式市場の上昇ムードと併走する形となっています。

原油(Crude Oil) 需給改善への期待とリスクオン環境から上昇傾向にありますが、景気減速リスクが影を落としています。

為替の動向(ドル/円)

ドル/円は引き続き円安基調が続いています。日本の投資家にとっては、「ドル建て資産を円換算した際の評価益増加」と「円安による輸入物価上昇リスク」という両面を意識する必要があります。

また、為替が急変した場合(例えばドル安への反転)、海外資産保有者の評価に大きな影響が出る可能性があります。


来週の注目ポイント

経済カレンダーの要点

  • インフレ指標:11月初めの消費者物価指数(CPI)や個人消費支出(PCE)などの発表
  • FRBの動向:次回会合と声明内容、利下げペースや政策転換点に注目
  • 企業決算:大手企業、特にテック・AI関連の決算が継続。実績とガイダンスが焦点
  • その他のリスク要因:地政学リスク(米中関係)、信用リスク(銀行・金融機関)など

注目テーマ

AI/テック株 好決算が続けば更なる上昇が期待できますが、期待先行の場合は調整リスクがあります。

銀行・信用リスク 金融セクターの開示内容次第で、市場の支援材料にも重荷にもなり得ます。

金利・債券市場 10年債利回りの動きは株式の割引率に直結するため、要注目です。

為替/ドル高・円安 日本の投資家にとって、円換算でのリスク管理が重要です。


3つのシナリオ

強気シナリオ

テック大手の決算が予想を上回り、米中協議が進展し、インフレ指標の鈍化が確認できた場合 → リスクオン優勢となり、株価上昇・金利上昇・ドル高という流れになる可能性が高い

中立シナリオ

決算やインフレ指標がほぼ予想通りで、目立った悪材料も出ず、イベントを無難に通過した場合 → 株価・為替・金利ともにレンジ内での推移となり、方向感に欠ける展開

弱気シナリオ

テック企業のガイダンスが弱く、米中協議が難航し、インフレ指標が上振れた場合 → 株価下落・利回り低下(景気・割引率への懸念)・ドル安または円高反転の可能性が高まる


長期投資家が意識すべきこと

実践すべき行動

  1. 定期積立の継続 市場のタイミングを計ろうとせず、時間分散の効果を活かしましょう。
  2. ポートフォリオのバランス確認 テック株やテーマ株の比率が高すぎないかチェックしましょう。
  3. ウォッチ指標の設定 10年債利回り、ドル/円、銀行信用スプレッド、AI関連大手企業の決算進捗など、定期的に確認する指標を決めておきましょう。

リスク管理のポイント

  1. 評価通貨の統一 海外資産を円換算で評価する際は、為替変動の影響を常に意識しましょう。
  2. ヘッジ比率の事前設定 為替・金利・信用リスクが動いた際に柔軟に対応できる準備をしておきましょう。
  3. 分散投資の徹底 特定のテーマ(例:AI)に偏りすぎないよう、セクター・資産クラス・地域を幅広く保有しましょう。

用語解説

10年国債利回り 米国政府が10年間資金を借りる際の利率。株式市場の「割引率」の代表的な指標です。

割引率 将来得られる収益を現在価値に換算する際に使用する金利。割引率が上昇すると、株価にとってはマイナス要因となります。

リスクオン/リスクオフ 投資家が「リスクを取る姿勢」か「リスクを回避する姿勢」かを表す市場心理の状態。

定期積立投資 一定額を定期的に投資する手法。時間分散効果により、価格変動リスクを軽減できます。

ヘッジ 為替・金利・信用などのリスクを軽減または相殺するための対策や取引。


免責事項

本稿は一般的な情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。

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この記事を書いた人

“守りは投資信託、攻めは米国テック”。そんなコア・サテライトで
ムリなく増やす方法を発信しています。新NISA×積立×仕組み化で、
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