相場が大きく下落したときにやってはいけないことと、冷静に対処するための15分プロトコルを事前に決めておきましょう。
感情に左右されず機械的に動ける仕組みを作ることが、長期投資を続けるコツです。

やってはいけないこと(7つの禁止事項)
- 全売却・オールキャッシュ化(計画にない撤退)
- 借入やレバレッジを使ったナンピン買い
- 投資商品をコロコロと乗り換える(SNSや人気に流される)
- 資産配分を頻繁に変更する(短期の値動きで長期計画を台無しにする)
- 過度な価格チェック(1日に何度もアプリを見る・通知をONにする)
- 分配金目当ての商品乗り換え(税金と再投資コストで結果的に損失)
- 根拠のない勘任せの取引(記録も理由も残らない)
迷ったときのチェック方法
まず「この行動は禁止リストに該当していないか?」を確認してから判断する
相場急落時の15分プロトコル(やるべきこと)

所要時間:15分 手順に沿って淡々と実行する
ステップ1:まず落ち着く(5分)
深呼吸をして、アプリを一度閉じ、水分を取る。
感情的な判断を避けるため、必ず時間を区切ってから次のステップへ。
ステップ2:生活防衛資金の確認(2分)
生活費の3〜6か月分が別口座にあるかチェック。
不足している場合は新規投資より生活防衛資金の確保を最優先する。
ステップ3:資産配分のズレを把握(3分)
A(全世界株1本で運用):ズレ確認は不要。積立を続けるだけ。
B(先進国株+国内株で運用):目標比と内訳の差を見る。
例:目標 先進国80/国内20 → 現在 85/15 = 国内が5pt不足
ステップ4:積立配分で調整(3分)
次回以降の積立配分を「少なくなった側」に寄せる。
売却は最終手段として、まずは積立で自然に戻す。
※ 全世界株1本の人はそのまま積立継続でOK。
ステップ5:記録ノートに1行だけ書く(2分)
- 日付
- 現在の評価額
- 資産配分
- 今の気持ちを一言
- 実施した対処(例:積立継続、配分調整など)
どれくらい下がる可能性があるか(参考目安)
- 株式100%:30〜50%の下落は想定しておく
- 株式60%・債券40%:値動きは相対的に小さくなる
- 債券比率を上げることで”安眠できる配分”に近づけられる
※これらは過去のデータに基づく目安であり、将来を保証するものではありません。
IF-THENルール(事前に決めておく行動指針)
**IF(もし〜になったら)→ THEN(こうする)**の形で決めておけば、迷わずに行動できます。
パターン1:配分のズレが発生した場合
IF 目標配分から ±5〜10%ずれた
THEN 次回以降の積立配分を「不足している資産」に寄せて自然に元に戻す(まずは売却しない)
パターン2:精神的に不安定になった場合
IF 下落が気になって2夜連続で眠れない
THEN その場では何もせず、年1回の見直し日に「株式比率を○ポイント下げる」と記録ノートに書き、見直し日に実行する
パターン3:臨時収入があった場合
IF 臨時収入や余剰資金が発生した
THEN 事前に決めた基準配分の通りに買い増しする(個人的な判断で増減しない)
環境整備と連絡体制
- 投資アプリの通知は全てOFF、起動は週1回のみ
- 家族や信頼できる友人に投資ルール表を共有しておく
- SNSの投資関連情報はミュート設定。
今日やることチェックリスト
□ 7つの禁止事項をテキストで保存し、スマホのトップ画面で見られるようにする
□ 15分プロトコルを印刷するか、メモアプリに保存して固定表示する
□ 3つのIF-THENルールを書く(配分ズレ・睡眠・追加資金の対応)
□ 積立投資は通常通り継続し、配分がずれていれば積立配分で調整
□ 月1回の記録ノートに1行だけ書く習慣をスタートする
「続けるコツ(メンタル)」トップに戻る↑
< 前の記事へ「投資で迷わないためのマイルール雛形」
次の記事へ >「長期投資を続けるための「月1行メモ」の書き方」
投資を始める前のお勧めの一冊「バビロンの大富豪」の書評を見てみる。
(免責事項)本記事は投資助言ではありません。最終的な投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。